嵐 台風ジェネレーション歌詞解釈
小説みたいな曲が好きです。
昔から歌詞を解釈するのは好きなのですがまとめる媒体がなく…Twitterで書くにしても長すぎるんです。
せっかくブログを始めたのでちゃんと自分の考えをまとめたいなと思って、やってみます。(著作権的なものを調べると、どうやらはてなブログは歌詞書いていいみたいですね!安心!)
今回ご紹介するのは嵐の『台風ジェネレーション-typhoon generation-』。2000年、3枚目シングルです。
小さい頃は最初のセリフ言うの恥ずかしい曲としか思ってなかった(ミニモニ。のファンが何言ってるん?)のですが、小学校高学年で「これって歌詞良すぎでは…?」とやっと気づきました。偏見で曲の解釈を始めたのはこの曲がきっかけです。
軽くまとめると、都会で暮らす男性が地元での青春時代の恋愛を振り返っている歌です。
それではスタート!
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「じゃあいってくる。あっ、さよならじゃないよね、また会えるから」
これが2人が交わした最後の言葉でした。
街を見下ろす丘からあの日僕らは何を見てた
やっと二人きりになれた 照れながらあの日
賑やかな卒業式の後、生まれ育った街が一望できる丘で恋人同士2人きり最後の時間を過ごしました。「あの日僕らは何を見てた」からは当時、彼と彼女がそれぞれ心で思っていたことが本当は合致していなかったことと、当時の彼はそのことに全く気づいていなかったことがわかりますね。
「明日の朝早く僕は上りの電車に乗るんだね」卒業の後の校舎小さく見つけた
え、明日?卒業式の次の日に上京って…よーく考えた結果がそれかい?「いよいよ明日上京かぁ」て実感してるようだけど、彼は寂しいというよりも心はもう新生活に向いていて、卒業後の校舎は過去のものみたいです。浮かれポンチ野郎め。
「行かないで」と一言つぶやいた君
あの時僕は見えない夢を抱いていた
ほらやっぱり、彼女我慢してるじゃん!!
見てるもの違うじゃん!!
「見えない夢」とはなんのことを表すのでしょうか。
おそらく「都会での生活」と「遠距離になる彼女との仲」の両立のことではないか?と思っています。両方とも見えてないのになぜそんなに自信があるのかは知りませんが。
「遠距離は寂しいから行かないで」という意味だと捉えた彼は本音を漏らした彼女にこんな言葉をかけます。
「離れていてもきっといつまでも君のことを思っているよ」
「きっと」「いつまでも」てなんやねん。やっぱなんかフワフワしてんな〜だからどこから来るねんその自信。遠距離の難しさわかってなさそう…。
と言った心が今さら疼いてたまらないよ
君にさよなら電話で告げた
過ぎてゆく季節の中に
会えない時間にも距離にも勝てない僕らがいた
遠距離はやはり厳しかったみたいですね。
気持ちが途切れたのは上京した彼の方でした。春から(どれくらいかわかりませんが)季節が変わるくらいはなんとか続いたようですが、「離れていてもきっといつまでも君のことを思っているよ」とか言ってたくせに直接会うこともなく電話で別れを告げました。
夢を見すぎていたことにやっと気づいたようです。やはり上京後の二人の関係はうまく行きませんでした。
ちなみにこの時点で彼は「僕ら」と複数形で言っていますが、物理的な距離が原因だと思っているとすればカレの独りよがりです。さらに数年後に彼女のことを振り返った2番の歌詞の中で、彼はやっとあの日あの丘で「彼女が見ていたもの」を理解します。
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彼女と別れて数年後
僕のコートの裏には君のセーターの色が残り
キスの時の香りが消えずにある
どこか大人びて見えた
あれは口紅のせいだって
今ならさまざまに思い当たることもあるが
1番の歌詞の数年後。あの時、あの丘で、彼女を抱きしめた時の記憶は現在も残っている。
大人になった今思うと、彼女は上京したら別れてしまうことがなんとなく予期できていたんじゃないか?だとしたらそれを覚悟して自分を送り出してくれた彼女は自分よりはるかに大人だったんじゃないか?とやっと気づくわけです。
そういえばあの日、彼女は少し大人っぽく見えた。いつもはしてない口紅のせいだと思っていたけれど、あれは彼女の覚悟の表れ。そう思うとあの日の彼女の言動の本当の意味に気付かされます。
片道の切符をふざけたフリで取り上げ
君は無理して妙にはしゃいでいた
未来ばかり見ていて、彼女が悩みながら無理をして自分に合わせていることに全く気づいていなかったのだ。ふざけていたんじゃなくて、この切符さえなければというのが彼女の本心だったんだ…
離れたらもうダメになるよと君が俯くの打ち消して
僕はコートで震えるその肩包み込んだ
こんなに笑顔思い出すのにそこで途切れてしまう君
忘れてしまっても忘れはしないよ胸のどこかが
いや気づかなかったんじゃない。夢の方ばかりに気持ちが傾いていて、彼女の「離れたらもうダメになるよ」という本音を見ないフリしてただ抱きしめていただけだったんだ。
どれほど自分のことを考えてくれていた子だったか今さら実感してしまった。
自分が別れを告げたんじゃない。あの丘ですでに自分は彼女のきもちを蔑ろにしていたのだ。なのに「また会えるから」とか言ってしまうなんて思い上がり過ぎだ…物理的な距離ではなく心の距離も考えるべきだった。この失恋は年をとっても忘れないだろう。
行かないでと一言つぶやいた君
あの時僕は見えない夢を抱いていた
夢のことで頭の中がいっぱいだったから、「(遠距離なんてうまくいかないし、別れることになるから)行かないで」という彼女の言葉の本当の意味に気づいていなかった
君にさよなら電話で告げた
過ぎてゆく季節の中に
会えない時間にも距離にも勝てない僕らがいた
彼女が予期していた通りになった。
街を見下ろす丘からあの日
君が見ていた何かを
この頃不意にわかった気がすることもあるよ
君に出会った君に恋した
その体の奥にずっと
君と見つめていた
景色が今でも流れている
こうなることが見えていたにも関わらず自分を送り出してくれた彼女にはとても感謝している。あの丘の日の思い出は今も大事に覚えている。
彼視点で話が進められる一方で彼女の健気さと強さが読み取れます。彼の性格的に遠距離はダメだろうな〜と心の中では思っているが、本当に好きだったからこそ気丈に振る舞って、夢を追ってほしいと送り出したんだなぁ…
それに対して関係が今まで通り続くと信じて疑わず、彼女が半ば諦めていることにも気づいてない彼。見ているものが違い過ぎますね。
なので「あの日僕らは何をみてた」なんでしょうね〜
彼が見ていたものは都会での明るい生活。
彼女が見ていたものは遠距離での心のすれ違いだった。
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以上です。長くなりましたが、こういう内容じゃないかな〜と思っています。
この曲の彼女は別れることが予期できていても遠距離を選びましたが、正解だなぁ。だって人の夢についていくと苦労しそう。モーニング娘。の『しょうがない夢追い人』という楽曲の歌詞がその良い例だと思うので、よければ併せて聴いてみてくださいね。
自分の考えをその場の勢いで整理しただけなので偏った見方だらけかもしれませんがまた気が向いたらこういうのやりたいです。